Albarino (Alvarinho) アルバリーニョ
英語Albarino
ガリシア語 Albariño
ポルトガル語Alvarinho(VIVCの登録はポルトガル語)
果皮の色 | 白 |
種 | Vitis vinifera |
原産地 | ポルトガル |
有名産地 | |
シノニム | あり |
VIVC登録番号 | 15689 |
●概要
Albarino (Alvarinho)とは、イベリア半島(ポルトガルやスペイン北西部)で栽培されている白ブドウ品種です。
●原産地
Albarino (Alvarinho)の原産地は、イベリア半島の北西部(スペインのガリシア地方やポルトガル付近)といわれています。
過去にリースリングと同一品種と誤解されていた時期には、フランスのベネディクト会修道院のクリュニー修道院により12世紀にフランスからイベリア半島に持ち込まれたと考えられていました。現在ではDNA鑑定によりリースリングとは別品種であること、原産地がイベリア半島であることが判明しています。
●名前の由来
Albarino (Alvarinho)の名前は、外見上の特徴からラテン語の白を意味する『albo /albus』に由来するといわれています。
ガリシア語の名前「Albariño」とポルトガル語の「Alvarinho」は「Alba」や「Alva」はどちら白や白っぽいという意味を含んでいます。
最近の研究では、アルバリーニョ/アルバリーニョがガリシアポルトガル原産であることが示されています。[3][4]リースリングのブドウ品種としての最も初期の既知の記録は、12世紀ではなく15世紀にさかのぼりますが、フランスのアルザス地方に由来するリースリングのクローンであると地元では考えられています[要出典]。。ブドウはフランスのブドウプチマンサンの近親者であるとも理論づけられています。[5]
マデイラのアルバリーニョリラス[6]ブドウと混同しないでください。
アルバリーニョは「ライン川の小さな白いものdie kleine Weiße vom Rhein」と訳されており、ブドウの品種はリースリングに関連していると長い間疑われてきました。伝説によると、11世紀から13世紀にかけて、セントジェームスの途中でドイツまたはフランスの僧侶によってガリシアに運ばれました。より多くの最近の知見によると、しかし、アルバリーニョはの相対的であるように思わソーヴィニヨン・ブラン、ピノ・ブランやプティマンサンの品種。[1]事実の明確な解明はまだ保留中です(2005年現在)。DNA分析は、ポルトガルのブドウ品種MalvasiaFinaとの密接な関係を示しました[2]。
●歴史
Albarino (Alvarinho)は、過去何百年もの間リースリング(もしくはそのクローン品種)と勘違いされてきました。
リースリング(もしくは関連品種)と誤解されていた時期には、フランスのベネディクト会修道院のクリュニー修道院により12世紀にフランスからイベリア半島に持ち込まれたと考えられていました。
そして20世紀初頭までポプラの木の周りや他の作物の畑の周りなどに簡単に植えられてきました。
しかし20世紀半ばに転換期が訪れ、しっかりと管理した畑で栽培されるようになりました。その際に地元消費の雑多なテーブルワインから世界市場で注目され、一流のレストランなどでも使用されるブドウ品種となりました。
Albarino (Alvarinho)に関する歴史的記録を探すと、4世紀ごろローマ時代のガリシアの遺跡にまで遡流ことができます。このガリシアやローマの塩田などの遺跡からAlbarino (Alvarinho)とDNAの観点から類似性が高いブドウの種子の痕跡が見つかっています。これはAlbarino (Alvarinho)がこの地域で野生品種や当時の栽培品種などの交配により生成されたという現在の仮設にもつながります。
また1990年代には科学研究高等評議会(CSIC)によりガリシア地方に広く分布するAlbarino (Alvarinho)のクローンの研究が行われました。
その際の研究によると、200年以上昔の痕跡などを含め50種類を超えるクローンがあるとされました。
1993年にはガリシア地方の区画に11の選抜されたAlbarino (Alvarinho)のクローンを植え、病害に対する特性やブドウや醸造後の品質などの研究を行いました。
そしてCSICは2012年にガリシア地区・リアスバイシャス地区の規制委員会など共同で5種類の認定されたAlbarino (Alvarinho)クローンの販売を開始しました。
●ブドウの特徴・栽培特性
Albarino (Alvarinho)の特徴は
樹勢は比較的強く、高収量です。
糖度は高めで、酸度も適切
萌芽も成熟も早い、9月上旬には収穫が始まる早熟の品種です。
高温や多湿にも耐性がある
顆粒は小さく、果皮が厚い、フサの大きさも小さめ
ベト病やうどんこ病に弱いとされていますが、果皮の厚みがあるので晩腐病や灰色かび病には耐性があるとされています。
ブドウの木ごと枯死させてしまう感染症のエスカにもかかりやすいといわれています。
萌芽が早いため、春の霜の被害にも遭いやすく、
栽培法や地域によっては副梢や副芽からの収穫が可能で3回にわたる収穫ができるともいわれています。ただし、収量を上げると糖度や香りの元になる成分が減少してしまい、潜在アルコール度数が8%に達しないこともあります。
雨の多い地域で栽培されることも多いですが、高品質なものは乾燥した土地で栽培されたものに多くみられます。
基本的には天蓋(パーゴラ)で仕立てられることが多く、1本のブドウの木に対して30〜40の芽をつけることもあるそうです。
●関連する品種やDNA鑑定について
Albarino (Alvarinho)の親品種は現在は不明です。
イベリア半島で自生していた品種などの交配により生まれた品種とされています。
2003年に行なわれたDNA鑑定で、Caíño Blanco(カイーニョ・ブランコ)やリースリングとは別の品種であると判明しています。
またLoureiro(ロウレイロ)とは遺伝的に関係があるとされました。
オーストラリアでは、2009年に調査が行われた結果Albarino (Alvarinho)
として栽培されているブドウの中にSavagnin Blancが混ざっていることがわかっています。
●主な産地
Albarino (Alvarinho)の主な産地はイベリア半島です。
イベリア半島の北西部にあるミーニョ川を挟んでスペインとポルトガルで大きく栽培されています。
スペインでは、ガリシア地方のリアス・バイシャスで多く見られます。以前はヴィーニョヴェルデと同じくブレンドして販売される品種でしたが、1986年ごろから試験的に単一醸造が行われ始め、現在のスタイルが確立された。これによりヨーロッパやアメリカの国々のワイン愛好家の味覚を捉え、輸出用のワインとしての地位も築かれた。
ポルトガルではヴィーニョヴェルデ地区で同名のワインの原料として栽培されています。こちらは色々な地元の品種とブレンドされて、スパークリングやさっぱりとした白からしっかりとしたワインまで様々なスタイルに仕立てられています。
地球温暖化や海風への耐性、高温多湿でも育つことなどから新世界でも注目が集まっている品種です。
アメリカでは、カリフォルニア州・オレゴン州・ワシントン州での植栽が見られます。
イギリスでも今まではハイブリット品種しか植栽されていなかった地域にも実験的に植栽が始まっており、スティルワイン生産一つの軸に成れるか期待されているようです。
ニュージーランドでは小規模の生産者による栽培が見られます。NZ全体では約40haほど植栽されていますが一つ一つの畑は小さく1ha満たないものがほとんでです。
日本でもいくつかのワイナリーにより導入され成功事例も多く聞かれます。
高温多湿に強いことや棚仕立ての栽培に向くなど、日本での栽培でも結果を出しやすい品種と言えるのかもしれません。
また海風や塩にも耐性があるため、海沿いの産地でも植栽が見られます。
●ワインスタイル
Albarino (Alvarinho)のワインスタイルは多岐にわたります。
スパークリングワインからしっかりとした白ワインまで、単一品種もブレンドされたものも見ることができます。
スペインのリアスバイシャスを代表する単一品種のスタイルは
爽やかで豊か、熟した果実の香りやキレのある酸味が特徴です。
品種としての味わいの特徴は
酸っぱいリースリングという例えをされることもあるように
りんごや柑橘、花の香りが特徴で
生産地の特徴として海や塩の味わいを感じられるものも多いです。
ブドウ果実の果皮が厚く・種子が多いため、醸造した際にワインに苦味をもたらすこともあります。
外観はしっかりした黄色から黄金色
高い酸味と果実の香り
上位のものはオーク樽などで澱とともに熟成されるため、しっかりとした構成も感じられる。
柑橘やリンゴ、桃、トロピカルフルーツ
オレンジなどの花
アーモンドやナッツ、ハチミツなど
多く香りを感じられます。
●シノニム
Albarino (Alvarinho)のシノニムは現在10個登録されています。
また、イベリア半島ではアルバリーニョと同じシノニムをもち混同されている品種が多くありますが、DNA鑑定にかけると別の品種だという結果が出ることもよく見られます。
Synonyms: 10
ABELLEIRO、ALBARINA、ALBARINO、ALBELLEIRO、ALVARINHA、AZAL BLANCO、CAINHO BRANCO GALEGO、GALEGUINHO、PADERNA
●相性の良い料理や食材
Albarino (Alvarinho)と相性の良い食材は海の食材です。
甲殻類や貝類、魚類にレモンやライムを使った料理
軽い苦味を生かしてパセリやセロリなどのハーブを使った料理
しっかりとしたスタイルのものは白身の魚にチーズやクリームのソースを使ったものなどもお勧めです。
おすすめの料理は
ムール貝にパセリバター
オレンジの輪切りとハーブをのせたシチリア風のお魚のカルパッチョ
白身魚のフライにタルタルソース(マクドナルドのフィレオフィッシュも!)
●代表的なワイン
Albarino (Alvarinho)の代表的なワインは
スペインのリアスバイシャスと
ポルトガルのヴィーニョヴェルデです。
興味のある方にはぜひ試していただきたいのが日本産のアルバリーニョのワイン
安心院葡萄酒工房
安心院ワイン アルバリーニョ
リンゴや桃、レモンのような香りに
良い意味で温泉を思わせるようなミネラル感
素晴らしいバランスのワインです。
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