Albanella アルバネッラ

果皮の色白
種 Vitis vinifera
原産地イタリア共和国
有名産地マルケ州
シノニムなし
VIVC登録番号 24394

●概要

Albanellaとは、イタリア共和国のマルケ州でごく少量だけ栽培されている白ブドウ。

●原産地

Albanellaの原産地は現在の主な産地と同じくイタリア共和国のマルケ州といわれています。

カンパーニア州に同名のAlbanellaという地名が存在しますがこのブドウ品種とは無関係です。

●名前の由来

Albanellaの名前の由来として2つの説が存在します。

ひとつめはブドウの見た目に由来しており、ラテン語で白を意味するAlbaの小さいものを指すときの活用法からきたという説。

ふたつめは原産地のマルケ州北東部でよく見られる鷹科の鳥『チュウヒ＝Harrier』に由来するという説です。

●歴史

Albanellaは歴史の長い土着のブドウですが、2000年ごろまではいくつかの別品種と混同されていました。

クローンや同一品種と想像されていたブドウの主なものは、TrebbianoやGreco、シチリア島やサルディーニャ等の同名のブドウAlbanellaなどでした。しかし、5世代にわたりこの地で土着の品種を育て続けているマンチーニ家が意を唱え、近年のDNA鑑定により別品種と判明しました。

また、遺伝的に関係のある品種としてドイツのElbringやスペインのAlvarinhoが挙げられていますが、誰がいつどのようにしてこの地にそれら品種を持ち込んだのかはわかっていません。

●ブドウの特徴・栽培特性

Albanellaの特徴は
小粒で中から小型の房
薄い黄緑色の果皮
土壌は粘土石灰岩土壌との相性が良い

ステンレスタンクによる醸造が多いですが、高品質なものはオークダルによる熟成が行われるものもあります。

●関連する品種やDNA鑑定について

AlbanellaはDNA鑑定が行われたが親品種はまだ特定されておらず、関連品種のみ判明している状態です。

現在判明している関連品種は2種類で、ドイツのElbringとスペインのAlvarinhoです。その中でもElbringとの関係が注目されています。それはElbringが関連品種としてあげられること殆どない品種であること、また誰がいつどのようにこの地に持ち込んだのかも全くの謎であることなどからです。

シチリア島やサルディーニャ島の同名のブドウは別品種です。
長年Trebbiano Toscanoの地方名として扱われてきましたが、こちらも別品種と判明しています。

●主な産地

Albanellaが現在栽培されているのは、マルケ州の北東部の基礎自治体ペーザロ（Pesaro）のみといわれています。
かつてはマルケ州全域で栽培されていたともいわれていますが、現在はPesaroの数件の農家が栽培しているのみで、作付け面積はおよそ10ha程度といわれています。
ワインとして醸造しているのは3社のみともいわれています。

ほかの地域にもAlbanellaと呼ばれている品種はありますがこの品種とは別品種の地方名（シノニム）であると思われます。

●ワインスタイル

Albanellaのワインスタイルには流通量や生産者が少ないため、各生産者の個性が大きく反映されている可能性があります。

ワイン評論家のジャンシス・ロビンソンによると、長期熟成の可能性のある品種として分類されています。

黄色から黄金色で
しっかりとしたボディ
アルコールもやや高めになる事が多く
中程度の酸味で余韻に心地よい苦味が感じられ
バランスの取れた仕上がりのものが多いです。

基本的にはブレンドされる品種ですが、近年は単一品種での醸造もいくつか見られます。

●シノニム

Albanellaはマルケ州のペーサロというごく限られた地域でしか栽培されていないためシノニムはありません。

ただしAlbanellaという同名の別品種や他のブドウのシノニムにAlbanellaという名前が使用されていることはあります。

●相性の良い料理や食材

Albanellaと相性の良い料理や食材は
品種の特徴である瓜科の香りや爽やかな苦味を癒せるものがオススメです。

現地ではえんどう豆とリコッタチーズのパスタや野菜を使用した前菜などと楽しまれているようです。
爽やかな苦味とはフレッシュで辛味のあるオリーブオイル
ズッキーニなど少し青さを感じられるような食材
同じ瓜科を思わせる食材として、鮎などもお勧めできます。