Albillo Krimskii

ジョージア共和国 A

 アルビーリョ クリムスキもしくはRacHuli Tetra ラチュリ テトラ(ジョージア)

果皮の色
Vitis vinifera
原産地スペイン
有名産地ジョージア共和国
シノニムあり
VIVC登録番号5715

●概要

Albillo Krimskii(またはRachuli Tetra)とは、スペイン北西部原産の白ブドウです。

現在は主にジョージア(グルジア共和国)で栽培されている品種です。

Albillo〜もしくは単にAlbilloと呼ばれているブドウはスペインやイタリア全土で多く見られますが、いくつかの品種が区別なく一括りにされているためといわれています。

●原産地

Albillo Krimskiiの原産地は、他の多くのAlbilloと呼ばれる白ブドウと同じくスペインの北西部といわれています。ただしKrimskii(クリミア半島から)という表現通りクリミア半島やロシアとの関連がある可能性もあります。

●名前の由来

Albillo Krimskiiの名前は2つの単語からできています。

まずAlbilloという単語の由来から確認しましょう。

Albilloはラテン語で白を意味する『Albu』が転訛したもの、もしくは、スペインのカスティーリャ・レオンにある自治体『アビラ(Ávila)』に由来するといわれています。

また、Krimskiiというのはクリミア半島もしくはクリミア自治共和国のことを指しています。これは黒海に浮かぶ半島のことで現在はまだなぜAlbillo  Krimskiiにこの地名が入っているかは不明です。

ただしロシアなどクリミア半島を経由する地域でもAlbillo Krimskiiが栽培されているため、クリミアとこの品種に何らかの関係があるとみられています。

またジョージアでの別名Rachuli TetraとはRacha(ジョージア北西部の地名)のTetra(ギリシャ語で4、四面体などの意味)という意味です。

●歴史

Albillo Krimskii(またはRachuli Tetra)についての歴史の詳細は現在不明です。

Albillo系ブドウに関する文献は15世紀まで遡ることができます。

これはおそらくAlbilloの中でも中心的な品種、Albillo Realについて書かれたものです。

Gabriel Alonso de Herrera (ガブリエル・アロンソ・デ・エレーラ 1470–1539)による農業論文で、それによるとAlbilloは「透明感があり、上品な味わいであること。長期間保管ができる可能性があること。Cigüente、Moscatel、Hebénなどの他の品種と混合すると品質が向上すること。」などが述べられています。

また16世紀後半には、スペインのマドリードの宮廷で非常に人気のあるワイン「サンマルティン」として消費されていました。特に人気があったのがスペインの中では涼しい地域であるカスティーリャ・レオンのÁvilaという地域で樽熟成されてものでした。当時の言葉で「アビラで熟成させたサンマルティンワインはFlorin(中世にフィレンツェ共和国などで発行されていた金貨、またその通貨単位)よりも価値がある。」というものがあります。

また、この頃にはAbillo Realが生食用のブドウとしても消費されていました。これはローマなどイタリア半島からマスカット系のブドウが持ち込まれるまで続いていました。

19世紀にはスペインの植物学者Simón de Roxas Clemente y Rubio(シモン・デ・ロハス・クレメンテ・イ・ルビオ)による農業書ではAlbilloの特筆すべき甘さ(糖度)について触れられています。

また1751年にはスペインのトロに植えられているブドウの36%がAlbilloであるという報告が

ボルドー大学でも教鞭をとっていた植物学者のAlain Huetz de Lempによって報告されています。また、リオハアルタでもAlbilloが存在しており伝統的にチャコリにも使用されていたと言及されています。

●ブドウの特徴・栽培特性

Albillo Krimskii(またはRachuli Tetra)の特徴は

萌芽も成熟も早い、早熟品種

生産性は高く、収量は安定して多い

糖度が上がりやすく酸度も比較的高いため、甘口ワインの生産に向いている

中型の房に小さめの顆粒

うどんこ病や灰色カビ病に耐性がある

●関連する品種やDNA鑑定について

Albillo Krimskii(またはRachuli Tetra)は現在はまだDNA鑑定が行われていません。

他の多くのAlbilloとの関係や同一性も解明されていません。

●主な産地

Albillo Krimskii(またはRachuli Tetra)の主な産地は、ジョージア共和国です。ジョージア共和国でもマイナーなブドウとされていますが、北西部のラチャ=レチフミ州(რაჭა-ლეჩხუმი)で多くみられます。

また、クリミア半島やウズベキスタン、カザフスタン、アゼルバイジャンなど旧ソビエト連邦の構成国やロシアでの栽培もみられます。

2010年の作付け面積は約195ha程度とされています。

●ワインスタイル

Albillo Krimskii(またはRachuli Tetra)は辛口から甘口までさまざまなワインの生産に使用されています。

旧ソ連の国々ではやや甘口〜甘口に仕立てられるものも多く、ジョージア共和国ではオレンジワインとしても醸造されています。

味わいや香りの特徴としては、

桃やアプリコットなど有核果実やレモンなど柑橘系の香り

蜜蝋やハチミツ、焼いたアーモンド

紅茶やオレンジなどしっかりとした香りを感じられるような醸造法をとるものも多い

軽いものから中程度の重さに仕立てられることが多い。

伝統的にはブレンドの材料として使用されていましたが、近年の土着ブドウへの再注目や単一品種のワインブームのためAlbillo Krimskii(またはRachuli Tetra)のみで生産されたワイン探すと見つかるようになっている。

●シノニム

Albillo Krimskii(またはRachuli Tetra)の別名は現在9個VIVCに登録されています。

Synonyms: 9

ALBILLO DE CRIMEE、ALBILO KOSTELYANO、ALBILO KRYMSKIJ、CRIMEA’S ALBULIO、RACHULI TETRA、SULUKIDZIS TETRI、SULUKIDZIS TETRY、TSULUKIZIG TETRI、TZOULOUKIDZIS TETRI

●相性の良い料理や食材

Albillo Krimskii(またはRachuli Tetra)と相性の良い料理や食材は

辛口のものであれば果実の香りや酸味を生かして鶏などの白い肉と合わせたシンプルな料理と相性が良いです。

またアーモンドなどの少し苦味の残る味わいも特徴的なため、エキゾチックスパイスなどそちらを生かした料理もおすすめです。

塩で食べる焼き鳥

(ねぎま・せせり)

白身魚のホイル焼きにライムをしっかり絞る

青唐辛子とレモンやライムのパスタ

甘口のものは

杏仁豆腐

アーモンド味のピノ

「ピノ やみつきアーモンド味」 11月23日(月)より全国にて期間限定発売 | ニュースリリース | 森永乳業株式会社
森永乳業のニュースリリースを掲載しています。おいしいをデザインする、【森永乳業株式会社】

●代表的なワイン

Albillo Krimskii(またはRachuli Tetra)を使用したワインを探しています。

おすすめがあればご一報いただけると嬉しいです。

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